高血圧

高血圧について

血圧は誰でも1日のうちに、大きく上がったり下がったりしますが、落ち着けば通常範囲内におさまってくるものです。しかし、ずっと高いままの場合が高血圧で、血管に負担をかけ、動脈硬化を招きます。遺伝的体質に加え、運動不足などの生活習慣に大きく関わりがあり、生活習慣のコントロールも大切です。

高血圧と脳疾患

血圧が高いと、血管がずっとプレッシャーを受けている状態になり、動脈硬化から血管が障害され、血行が滞ったり破裂して出血したりします。これが脳で起こるのが脳血管障害で、特に脳出血の原因では高血圧が6~7割を占めています。また急激な高血圧から脳浮腫(むくみ)を起こす高血圧性脳症も高血圧が原因とされています。そのため、脳疾患を防ぐためにも、血圧をしっかりとコントロールしていくことが大切です。

高血圧の原因

血管は心臓から送りだされる血流の力によって、耐えず圧力を受けています。心臓が収縮して血液が送り出されると血圧は上昇し、心臓が拡張すると血圧が下降します。これが血圧の収縮期血圧(上)と拡張期血圧(下)の仕組みです。
血圧はこの心臓が血液を送り出す力と、血管がその圧力を受けとめる柔軟性のバランスによって決まります。つまり、心臓が血液を送り出す力が強すぎるか血管の柔軟性が失われて硬くなっているかによって高血圧が起こることになります。
高血圧には、心臓の血管の異常、腎臓疾患など、基礎疾患によって起こる二次性高血圧と、特に基礎疾患が無く、体質や生活習慣などによって起こる本態性高血圧があります。
本態性高血圧は、高血圧を起こしやすい遺伝的要素や体質に加えて、加齢や、食生活、特に塩分が過剰な食物の摂りすぎや、喫煙、飲酒など、運動不足、ストレス、肥満といった生活習慣に関わる要素が加わって悪化してきます。高血圧症の9割はこの本態性のものであることが知られています。

高血圧の症状

血圧が高い状態が続き繰り返し測定しても診察室で収縮期血圧(上)が140mmHgより高く、拡張期血圧(下)が90mmHgより高い場合を高血圧症と診断されます。時に、頭が重い、動悸や息切れ、めまい、肩こりといった症状が起きることもありますが、ほとんどの場合、自覚症状が無いうちに進行してしまうところが、高血圧症の危険なところです。放置しておくと知らないうちに様々な場所で血管障害を起こし、重篤な症状に陥ることもあるため、普段から家庭で血圧を測定することが大切です。

高血圧と頭痛

脳には、血圧が高くなっても血流を正常に保つための仕組みがあるため、高血圧だけでは頭痛は起こりません。そのため、高血圧症から頭痛が起こるようなった場合には注意が必要です。脳で動脈硬化を起こっている、血液が固まって血腫ができているといった可能性があります。また、急激に一時的な高血圧が起こった場合、血流を保つシステムが機能しなくなり、高血圧性脳症が起こり、脳がむくんで激しい頭痛が起こることもあります。

高血圧の治療

本態性の高血圧の場合、多くは生活習慣や食餌習慣に問題があるため、まずはそれらの見直しの指導を行います。特に食事、ウォーキングなどの有酸素運動などが大切になります。食事では、塩分を抑えることや脂質を摂りすぎないことも大切です。これに加えて血管を拡げるタイプ、血圧を上げるホルモンを抑えるタイプなど患者さんに合わせたタイプの降圧剤を処方します。基礎疾患がある場合は、その治療も併せて行います。

高血圧と頭痛で気を付けたいこと

血圧をしっかりとコントロールすると、脳疾患のリスクを下げることができます。しかし、頭痛を伴っているケースでは、脳出血などの事態を避けるため、急激な血圧の上昇を避けることも大切です。急に寒いところに出る、熱いお風呂に入る、トイレで強くいきむなどは血圧を急上昇させる可能性がありますので、できる限り避けるようにしましょう。心配なことがあったら、脳神経外科で早めに検査を受けることを推奨します。

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