片頭痛について
片頭痛とは言いますが、片側で起こるだけではなく、両側で痛みがでることもあります。痛みは激しく、日常生活や仕事・学業などに差し障りがでることもあります。
突然痛みは始まり、数時間から3日程度続くこともあります。片頭痛の痛みは鼓動に合わせたようなズキンズキンとした痛みで、時に吐き気や嘔吐などを起こし、また光・音・匂いと言った感覚に敏感になる傾向があります。痛みが始まる前に、「あ、頭痛が始まりそう」という前兆があるのが特徴で、前兆としては、視野に幾何学的なギザギザした光が見える、首筋がゾワゾワするなどがあります。片頭痛は、緊張型頭痛より薬によって制御しやすい傾向があるため、お悩みの方は早めにご相談ください。
慢性片頭痛
もともと片頭痛があり、月に数回程度、ズキズキと激しい痛みを伴い吐き気を催すような頭痛が起こっていたものが、だんだんと毎日頭痛を起こすようになります。それに伴って片頭痛の特徴は少なくなり、緊張性の頭痛のような症状が加わってくるのが慢性片頭痛です。月に15回以上頭痛が起こり、そのうち半分以上で片頭痛の特徴があると、慢性片頭痛と診断されます。鎮痛剤を必要以上に継続的に使ってしまうことなどで起こります。
片頭痛の原因
脳の血管が何らかのきっかけで拡張することで起こると考えられています。ある程度遺伝性があり、また神経の敏感なタイプの人が片頭痛を起こしやすい傾向があります。頭痛が起こるメカニズムははっきりと分かっていないのですが、こうしたタイプの人が、環境の変化にストレスやストレスからの解放、睡眠の取りすぎや不足、天気の変化、赤ワインなど特定の飲食物などを引き金に片頭痛を起こします。また女性の場合、エストロゲンのバランスの変化によって片頭痛を起こすことがあるため、男性より3倍も片頭痛持ちが多いという報告もあります。
治療方法としては、血管の拡張をコントロールする薬や神経に働きかける薬などによる薬物療法が中心となります。
片頭痛の前兆
片頭痛には、予兆前兆を感じるタイプと何も予兆前兆のないタイプがあります。そのうち、予兆前兆を感じるタイプの片頭痛は10人に2～3人と言われています。
前兆としては、感覚が鈍くなったり言葉を話しにくくなるといったもの、甘いものが食べたくなる、なまあくびが出る、また視野の一部が欠けたりギザギザの幾何学的な光が視野にあらわれ、だんだん大きくなって視野全体を覆うこともある閃輝暗点という特徴敵な症状があらわれる方もいます。こうした前兆の症状が5分～40分程度で消えた後、頭痛が始まります。
低用量ピルについて
片頭痛は女性ホルモンの一種であるエストロゲンのバランスが大きく関連していることが知られています。そのため、女性ホルモンのバランスを変化させる低用量ピルは、前兆を伴う片頭痛のある方には禁忌薬となっています。片頭痛の重い症状をお持ちの方で、避妊目的で低用量ピルを常用されている方は、婦人科と連携して治療を進める必要があります。
片頭痛の治療
片頭痛が始まる前には、突然の血管の収縮が起こります。その後血管が拡張してくることによって激しい痛みがあらわれるのです。つまり、突然の血管の収縮は片頭痛が起こる前兆です。
片頭痛の治療は、痛みに対する対症療法ばかりではなく、この前兆がはっきりしている症例では、前兆が起こった時に服用すれば急激な血管の拡張が起こらず、それによって激しい頭痛にならず治るという薬が2000年より使われています。それがトリプタン製剤という薬品ですが、前兆をしっかりと捉え、頭痛が起きたらできるだけ早いタイミングで服用することが重要です。
当院では、服用方法にも対応していますので、お気軽にご相談ください。
片頭痛でお悩みでしたら当院までご相談ください
片頭痛は、体質だから仕方ないとあきらめていませんか？近年の研究では、大きく生活の質（QOL）を下げてしまう片頭痛を根本的な部分から治していくことも可能になってきてきます。単に、症状が起こったときに頭痛薬でやり過ごすのではなく、頭痛専門の医師の治療を受けることが大切です。
当院では、脳神経外科の専門医が、患者様それぞれの状態を、正確な診察で把握し、さらに詳細を知るための適切な検査を行った上で、症状に合わせた治療法を提案してまいります。激しい頭痛で日常生活が頻繁に阻害されるようなお悩みがありましたら、いつでも遠慮なくご相談ください。
