三叉神経痛

三叉神経痛(顔面神経痛)について

三叉神経は脳幹から発し、脳から出たあたりで、眼から額あたり、上顎、下顎と3方向に分かれて顔面の感覚を脳に伝える役割をしている神経です。3方向に分かれることから「三叉」神経と名付けられました。この三叉神経が何らかの異常を起こして痛みを感じるようになるのですが、一般に顔面に「電気が走るよう」、「針でつつかれるよう」と表現されるように、別名顔面神経痛とも呼ばれています。鋭い強い痛みから日常生活の質(QOL)が大きく低下したり、人によっては鬱状態になったりすることがあるほどです。
40歳を過ぎたころから発症が増えてきて、その後加齢とともに増加する傾向があります。
また男女比で言えば、女性が2倍ほど多いという報告があります。

三叉神経痛(顔面神経痛)の原因

三叉神経痛の原因で一番多いのは脳の構造そのものに原因があって起こる特発性のもので、その他には、耳鼻科などの病気が元になって起こる症候性のもの、帯状疱疹の後に起こるものなどがあります。
特発性三叉神経痛は脳内の血管が三叉神経に触れてしまうことで起こります。この場合、血管と三叉神経を離して間にクッションを挿入する手術が有効な場合もあります。
症候性三叉神経痛は、副鼻腔炎や歯周病などが三叉神経に影響を及ぼして起こります。また、帯状疱疹後三叉神経痛は、帯状疱疹による皮膚の症状が治まった後に起こることもあります。
その他、脳腫瘍などによるものや、いくつかの状態が複合して起こるものなどもあります。

三叉神経痛(顔面神経痛)の症状

三叉神経痛は、特発性、症候性などのタイプに関わらず、左右どちらか片方の顔面に強い痛みが起こります。痛みはそれほど持続せず、ほとんどが数秒から数十秒程度で治まります。そのため、それ以上長い間痛みが続くようであれば、他の疾患が疑われます。
痛みそのものは人間が感じる痛みの中でも最も強いと表現されることもあるほどです。痛みを感じる部位としては、頬から上顎周辺が最も多くなります。
痛みは、多くの場合、眉間などを指で刺激したり、顔の表情筋を動かしたりといった動作をきっかけとして起こります。

三叉神経痛(顔面神経痛)の検査

まずは、問診でいつ頃から、どのような症状がでているのかをお訊きし、三叉神経痛が疑われる場合は、CT検査やMRI検査によって血管の圧迫によるものか、耳鼻科や口腔外科の疾患によるものかなどを特定します。帯状疱疹が疑われる場合は血液検査で抗体の有無を調べます。
なおMRI検査が必要な場合は、提携する間中病院で検査を受けていただきます。

三叉神経痛(顔面神経痛)の治療

三叉神経痛の治療は、多くの場合薬物療法を中心に行います。薬剤としては、神経障害が原因となっている場合、痛みを鎮める効果があるプレガバリンや抗てんかん薬のカルバマゼピンなどを使用することが一般的です。
また、血管が神経を圧迫しているタイプの場合は、状況によって血管と神経を離して間にクッションを入れる手術を検討することもあります。
神経は何らかの刺激によって引き続きダメージを受けているとだんだんと破壊されてしまうという特性があります。三叉神経痛かなと思ったら、できるだけ早めの受診をお勧めします。

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